N高等学校(以下、N高)への転入で入学試験があるのは、週5・週3・週1+コースのリアルキャンパスを希望する場合だけです。ネットコースとオンラインキャンパスは書類選考のみで、入学試験はありません。転入で多いネットコースなら、学力試験は課されません。
リアルキャンパスは全国各地のキャンパスに実際に通う形式、オンラインキャンパスはキャンパスには通わずオンラインで同じカリキュラムを受ける形式です。試験の有無はこの選択で決まります。
リアルキャンパスを希望する場合は、筆記試験35分と面接試験(グループワークを含む)20分程度があります。受験料15,000円と入学検定料5,000円の計20,000円は、いかなる理由でも返金されません。
この記事では、公式サイトと2027年度生徒募集要項に記載されていることだけを扱います。公表されていないことは、公表されていないと書きます。転入の時期や必要書類はN高の転入はいつまでかを学年別にまとめた記事、費用はN高の転入にかかる費用をまとめた記事で扱っています。
本記事は第三者メディアによる解説です。記載はすべて2026年8月時点のもので、試験日程は出願期ごとに更新されます。出願前に必ず公式サイトで最新の内容を確認してください。
転入で試験があるのはどのコースか
リアルキャンパス希望者だけ入学試験がある
N高グループの入学試験ページには、次のように明記されています。
ネットコース、オンラインキャンパスの方は「書類選考」のため入学試験はありません 出典:入学試験の案内
2027年度生徒募集要項の選抜方法も同じ内容で、コース別の扱いは次のとおりです。
| 希望するコース | 入学試験 |
|---|---|
| ネットコース | なし(書類選考のみ) |
| 週5・週3・週1+コース(オンラインキャンパス) | なし(書類選考のみ) |
| 週5・週3・週1+コース(リアルキャンパス) | あり(筆記試験・面接試験) |
つまり「N高の転入に試験があるか」の答えは、通学して対面で学ぶことを希望するかどうかで決まります。転入学でネットコースを選ぶ場合、選抜は提出書類だけで行われます。
「必要に応じて面接試験を実施」という注記がある
ひとつ補足があります。N高グループの入学案内ページの選抜方法の欄には、ネットコースとオンラインキャンパスの2つについて「書類選考 ※必要に応じて面接試験を実施」との注記があります。
入学試験ページと募集要項はどちらも「この2つに入学試験はない」としています。ただしこの注記を踏まえると、面接が行われる可能性がゼロとは言い切れません。ネットコースやオンラインキャンパスであっても、面接の連絡が来る場合があると考えておいたほうが安全です。
なお、ネットコースに転入したあとで通学コースへ変更する場合に試験があるかどうかは、公式サイトに記載を確認できませんでした。この経路を考えている場合は相談窓口で確認してください。
リアルキャンパスの入学試験の中身
筆記試験35分・面接試験20分程度
入学試験ページに記載されている構成は次のとおりです。
| 試験 | 時間 |
|---|---|
| 筆記試験 | 35分 |
| 面接試験(グループワークを含む) | 20分程度 |
ただし当日の拘束時間はこれより長くなります。同じページに「面接には待ち時間があるため、終了までに40分程度かかる場合があります」と記載されているためです。筆記試験と合わせて75分程度を見込んでおくと安全です。
それでも、全日制高校の入学試験のように5教科を1日かけて受ける形式ではありません。
面接はグループ単位で行う
面接について、入学試験ページには「面接は1グループごとに行います」と記載されています。グループワークが含まれることも明記されています。
ただし、1グループが何人なのか、グループワークで何をするのかは公表されていません。
現地受験とオンライン受験を選べる
リアルキャンパスの入学試験は、現地受験とオンライン受験のどちらかを選択できます。試験会場は志望するキャンパスとは限らず、全国9拠点に集約されています。通学圏内に会場がない場合や、外出が難しい場合でもオンラインで受験できるということです。
一方、リアルキャンパスに合格したあとは通学が前提になります。受験形式が選べることと、入学後の通学負担は別の話です。
出題範囲は公表されていない|できる準備は3点
ここがこの記事で最も重要な点です。入学試験ページには次のように記載されています。
筆記試験および面接内容は試験時にお伝えします 出典:入学試験の案内
筆記試験の科目・出題範囲、面接で聞かれる内容は、いずれも事前に公表されていません。
インターネット上には「N高の面接で聞かれること」を列挙した記事もあります。ただし公式が出題内容を試験時まで伏せている以上、それらは受験者の体験談か推測にとどまります。年度やキャンパスによって内容が変わる可能性もあります。
そのうえで、公表されている情報から導ける準備が3点あります。
- グループワークがあることを前提にしておく:ほかの受験者と一緒に取り組む形式だと知っておくだけで、当日の戸惑いは減ります。
- 志望動機と卒業後の目標を言語化しておく:入学案内ページによると、Web出願の出願者情報には「志望動機と卒業後の目標」を入力する項目があります。自分で入力した内容なので、面接で触れられても答えられるようにしておくのが自然です。
- 持ち物と受験形式を事前に確定させる:後述の持ち物を用意し、現地かオンラインかを決めておいてください。
想定問答を暗記するより、出願時に入力した内容と面接で話す内容を一致させておくほうが確実です。
受験料と返金されない条件
コース別の入学検定料・受験料
2027年度生徒募集要項に記載されている金額は次のとおりです。
| コース区分 | 費用 |
|---|---|
| ネットコース | 5,000円(入学検定料) |
| ネットコース以外・リアルキャンパス | 5,000円(入学検定料)+15,000円(受験料) |
| ネットコース以外・オンラインキャンパス | 5,000円(入学検定料)+5,000円(受験料) |
入学検定料5,000円は全コース共通です。ネットコース以外は、これにコースごとの費用が加算されます。
費用の全体像はN高の転入にかかる費用をまとめた記事で扱っています。
オンラインキャンパスの5,000円は資料によって名称が違う
オンラインキャンパスには入学試験がないのに、募集要項の費用表では「受験料5,000円」と書かれています。これは名称の問題です。
特定商取引法に基づく表記では、この5,000円は「事務手数料」と記載されています。入学案内ページの出願手順でも、オンラインキャンパス希望者は「事務手数料」を支払うと案内されており、リアルキャンパスの「受験料」と書き分けられています。
金額・支払うタイミング・対象コースが一致することから、同一の費用と考えられます。募集要項では「受験料」、特商法表記と入学案内では「事務手数料」と呼び方が違うということです。試験がないのに受験料を取られているわけではありません。
いかなる理由でも返金されない
入学試験ページには、次の2つの注記があります。
※週5・週3・週1+コースリアルキャンパスへのご入学を希望する場合は、別途入学試験の受験が必要です。出願時に受験料15,000円をお支払いいただきます。 出典:2027年度生徒募集要項
※一度お納めいただいた受験料はいかなる理由でも返金できません。 出典:2027年度生徒募集要項
特定商取引法に基づく表記にも「出願時費用及び入学金は、理由を問わず返金できません」とあり、募集要項の注意事項も、いったん納入された入学検定料と入学金は理由を問わず返金できないとしています。
つまりリアルキャンパスを希望して出願した時点で、20,000円(入学検定料5,000円+受験料15,000円)は戻ってきません。体調不良で受験できなかった場合も同じです。入学試験ページからリンクされている「オンライン受験生/保護者向け注意事項」にも、接続の不具合やパソコンのトラブルで受験を続行できなかった場合でも受験料は返金しないと記載されています。
迷っている段階で「とりあえずリアルキャンパスで出願しておく」と決めると、この金額を失う可能性があります。通学するかどうかを決めてから出願するほうが安全です。
試験当日の準備
持ち物と必要な機器
入学試験ページに記載されている持ち物は、受験形式によって異なります。
| 受験形式 | 持ち物 |
|---|---|
| 現地受験 | 筆記用具、生徒証などの写真付き身分証明書 |
| オンライン受験 | 筆記用具(メモ用)、WEBカメラ機能付きのPC |
オンライン受験について、入学試験ページからリンクされている「オンライン受験生/保護者向け注意事項」には、より詳しい条件が記載されています。原則はWebカメラ機能付きのパソコン1台(カメラは外付けでも可)ですが、それが難しい場合は次のいずれかでも受験できるとされています。
- パソコン1台(カメラなし)+スマートフォン1台もしくはタブレット1台(カメラあり)もしくは外付けカメラ1台
- スマートフォン1台+タブレット1台(どちらかカメラあり)
- スマートフォン2台(どちらかカメラあり)
パソコンがなくても受験できる場合があります。 手元にパソコンがないという理由だけで諦める必要はありません。
ただし機器だけでは足りません。同じ注意事項には、機器以外に次の準備が必要と記載されています。
- 安定したインターネット通信環境
- 周囲の音が受験の妨げにならない環境
- ビデオ通話アプリ「Zoom」のパソコン・タブレット・スマートフォンへのインストール
そして冒頭には「本ページに記載されている内容(項目の1〜6)にご同意いただけない方、およびオンライン受験に必要な環境・機器をご準備いただけない方は、オンラインでの受験をご利用いただくことができません」と明記されています。環境が整わない場合は現地受験を選ぶことになります。
なお試験当日の詳細は、試験3日前を目安にWeb出願システム上で案内されると記載されています。前日までに必ず確認してください。
受験資格が無効になる条件
ここは事前に把握しておくべき項目です。受験できなければ20,000円は戻りません。
現地受験の場合、入学試験ページに次の記載があります。
公共交通機関の遅延による遅刻も含め、いかなる場合も試験開始時刻から5分後までに会場へ到着できなかった場合、受験資格は無効となります。 出典:入学試験の案内
電車の遅延も救済されません。会場は志望キャンパスとは限らず、札幌大通・仙台広瀬通・高崎・新宿代々木・名駅・梅田・岡山・博多駅南・那覇の全国9拠点に集約されています。自宅から会場までの所要時間を確認し、余裕を持って出発してください。
オンライン受験の場合は、注意事項に次の記載があります。
度重なる通信の切断があった場合や、一度回線が切れて10分以内に復帰が確認できなかった場合、受験資格を無効とさせていただきます。 出典:入学試験の案内
同じ項に「当日、接続の不具合、その他のPCトラブルにより受験が続行できなかった場合でも、受験料の返金はいたしかねます」とも書かれています。
救済策も用意されています。試験前日の10:00〜17:00に接続確認用のZoomが用意されると記載されているので、不安がある場合は必ず利用してください。
保護者の同伴は認められない
保護者にとって重要な点です。注意事項の「入学試験の不正行為とその対応について」に、次の記載があります。
試験は受験生お一人で受けていただく必要がございます。保護者を含め、いかなる人物の同伴も認められません。 出典:入学試験の案内
オンライン受験であっても、同じ部屋で見守ることはできません。あわせて、試験問題への解答はインターネット検索や書物からの引用が禁止されており、後日不正行為が判明した場合は週5・週3・週1+コースの在籍が抹消され、入学金や授業料などの返還も行われないと記載されています。
服装と録画・録音
注意事項には「当日の服装は自由です」と明記されています。あわせて「試験は録画・録音します」との記載もあります。学校側が試験の様子を録画するということです。
一方で、受験者側の記録行為は禁止されています。「当日は休憩時間も含めて全ての時間で、スクリーンショットの撮影や録画・録音など、試験の様子を記録する行為は全て禁止です」と記載されています。
試験中は席を立てないこと、筆記試験中はZoomをミュートにすること、試験中は常にZoomのカメラをオンにすることも定められています。お手洗いは事前か休憩時間中に済ませておく必要があります。
なお、現地受験の服装についての記載は確認できませんでした。気になる場合は相談窓口で確認してください。
試験日程と合否発表
試験日程は出願期ごとに設定され、入学試験ページには「試験の詳細は、各期の出願期間の初日に更新されます」と記載されています。
2026年8月3日時点で掲載されている2026年10月入学の日程は次のとおりです。
| 区分 | 日程 |
|---|---|
| 現地受験 | 2026年9月5日(土)※時間帯は会場により10:00・13:00・16:00のいずれか |
| オンライン受験 | 2026年9月6日(日)※時間帯は10:00・13:00・16:00のいずれか |
| 合否発表 | 2026年9月11日(金)15:00 |
この期では現地受験が土曜、オンライン受験が日曜に設定されています。出願する期によって日程は変わるため、必ず出願時点の案内で確認してください。
合否の通知方法は、出願したコースによって分かれます。募集要項によると、まず「単位制・通信制課程」の合否がメールで通知されます。ネットコース以外に出願した場合は、各コースの合否をWeb出願システム上で確認します。
転入生の書類選考では何が見られるのか
ネットコースを希望する場合、選抜は書類選考だけです。ではその書類で何が見られるのかというと、選考基準は公表されていません。
公表されているのは、提出する書類の種類だけです。2027年度生徒募集要項によると、転入学で必要な書類は次の5点です。
- 学籍・就学状況証明書
- 成績・単位修得証明書
- 生徒の転学について(照会)
- 在籍証明書
- 在籍高等学校の教育課程表(コピー可)
出典:N高等学校・S高等学校・R高等学校 2027年度生徒募集要項
いずれも在籍校に作成・発行を依頼するものです。編入学の場合や提出方法の詳細は、N高の転入はいつまでかを学年別にまとめた記事で扱っています。
郵送する書類に志望理由書は含まれませんが、前述のとおりWeb出願の出願者情報には「志望動機と卒業後の目標」を入力する項目があります。書類選考で自分の言葉が読まれる余地は、ここにあります。
出願時にはこのほかに顔写真が必要です。募集要項と入学案内ページには、写真の条件が記載されています。出願の3カ月以内に撮影した鮮明なカラー写真(白黒不可)で、胸あたりより上の上半身を正面から写したものです。データは10MB以内、形式はjpgまたはpngとされています。
よくある質問
N高の転入に落ちることはありますか
合否の基準が公表されていないため、断定はできません。ただしN高グループのよくある質問には、リアルキャンパスへの通学を希望する場合について「その結果により入学できない場合もあります」と記載されています。オンラインキャンパス希望者には入学試験がないとも明記されています。合否率に関する公式の数値はありません。
不合格だった場合、次の出願期に再出願できますか
再出願の可否と、その際に入学検定料・受験料が再度必要になるかについては、公式サイトに記載を確認できませんでした。20,000円が返金されない条件と併せて、出願前に相談窓口で確認しておくことをおすすめします。
ネットコースでも面接がありますか
入学試験ページと募集要項では、ネットコースは書類選考のみで入学試験はないとされています。ただし入学案内ページの選抜方法の欄には、ネットコースとオンラインキャンパスの2つについて「必要に応じて面接試験を実施」との注記があるため、可能性はゼロではありません。
筆記試験の科目は何ですか
公表されていません。入学試験ページには「筆記試験および面接内容は試験時にお伝えします」と記載されています。試験時間は35分です。
受験できなかった場合、受験料は戻りますか
戻りません。入学試験ページに「一度お納めいただいた受験料はいかなる理由でも返金できません」と明記されています。入学検定料も同様に返金不可です。
現地に行けない場合はどうすればよいですか
リアルキャンパスの入学試験は、現地受験とオンライン受験を選択できます。オンライン受験はWebカメラ機能付きのパソコンが原則ですが、スマートフォン2台などの組み合わせでも受験できるとされています。ただし安定した通信環境とZoomのインストールが必要で、これらを準備できない場合はオンライン受験を利用できないと明記されています。入学後の通学が前提になる点も変わりません。
試験に保護者が付き添えますか
付き添えません。入学試験ページからリンクされている「オンライン受験生/保護者向け注意事項」に「試験は受験生お一人で受けていただく必要がございます。保護者を含め、いかなる人物の同伴も認められません」と明記されています。オンライン受験の場合も同じです。