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通信制高校N高等学校とは?学費・コース・評判を保護者向けに解説

公開 / 更新 年度更新対象の記事です

N高等学校(以下、N高)は、学校法人角川ドワンゴ学園が運営する広域通信制・単位制の高校です。全校生徒数は36,371名(2026年3月末時点)で、高校としては日本一の生徒数と紹介されています。

同じ学園がS高等学校とR高等学校も運営しており、3校あわせて「N高グループ」と呼ばれます。学費の体系は3校共通で、違いは本校の所在地とスクーリングの負担に集約されます。

この記事では、N高がどんな学校か、コースがどう分かれているか、そして学校が公表しているデータから何が読み取れるかを整理します。ネットコースで就学支援金の先引きが適用される場合、3年間の実質負担は普通科で211,000円です。金額の内訳や支払い方法はN高の学費を全コース試算した記事にまとめています。

本記事は第三者メディアによる解説です。記載はすべて2026年8月時点のもので、金額も制度も年度で変わります。出願前に必ず最新の募集要項で確認してください。

N高等学校とはどんな通信制高校か

N高等学校(以下、N高)は、学校法人角川ドワンゴ学園が運営する広域通信制・単位制の高校です。学年ではなく単位の積み上げで卒業する単位制で、全国どこからでも出願できる広域通信制にあたります。

同じ学園が運営する高校は、N高のほかにS高等学校(以下、S高)とR高等学校(以下、R高)があり、3校あわせて「N高グループ」と呼ばれます。通信制高校としてのN高を検討する場合は、この3校のどれに出願するかを選ぶことになります。

なお2027年度生徒募集要項には、3校とも学校教育法第一条に定められた高等学校であり、全日制高校と同じ「高校卒業資格」を取得できると明記されています。

N高・S高・R高の違いは本校の所在地

3校の最も大きな違いは本校の場所です。学校法人角川ドワンゴ学園の学校法人概要によると、各校の本校所在地は次のとおりです。

学校本校所在地課程
N高等学校沖縄県うるま市与那城伊計224単位制・通信制課程(広域)
S高等学校茨城県つくば市作谷578番地2単位制・通信制課程(広域)
R高等学校群馬県桐生市梅田町一丁目185番地1単位制・通信制課程(広域)

学費の体系は3校で共通です。募集要項も3校まとめて1冊で公表されており、コース構成や金額に差はありません。したがって「どの学校が安いか」で選ぶ場面はなく、実質的な違いは次のスクーリングの負担に集約されます。

3校の差が出るのはスクーリングの日数と旅費

通信制高校は、レポートのほかに登校して授業を受けるスクーリングが卒業要件に含まれます。N高グループのスクーリング案内によると、学年ごとの日数は次のように案内されています。

  • 1年次:全国拠点に7〜8日(期末のテストを含む)
  • 2年次:全国拠点に4〜5日(期末のテストを含む)+本校に4〜5日
  • 3年次:全国拠点に7〜8日(期末のテストを含む)

全国拠点の会場は主要駅付近に置かれているため、負担が大きいのは本校スクーリングのほうです。在学期間中に1回以上、本校スクーリングに参加する必要があります。参加は原則2年次で、3年次に転入学・編入学した場合は3年次です。宿泊日数は学校によって異なります。

学校本校スクーリングの宿泊日数
N高等学校4泊5日
S高等学校3泊4日
R高等学校3泊4日

沖縄本校のN高だけが4泊5日で、茨城のS高と群馬のR高は3泊4日です。自宅からの距離を考えると、旅費と日数の両面でN高が最も負担が大きくなる可能性があります。

募集要項の注意事項にも、本校スクーリングには往復の交通費・宿泊費が別途必要と明記されています。ただし金額の目安は公表されていないため、この記事では金額を示しません。学費とは別に発生する費用として、資料請求や個別相談で必ず確認してください。

なお同じ注意事項には、住民税非課税・生活保護世帯、または医師の診断により本校への参加が困難な場合は、申請により他会場での参加が認められる場合があるとの記載もあります。

卒業に必要な単位は74単位以上

2027年度の生徒募集要項によると、卒業に必要な単位数は74単位以上で、標準履修モデルの合計は3年間で75単位です。学び方には「普通科」と「普通科ベーシック」の2種類があり、標準履修モデルの単位配分は次のようになっています。

学び方1年次2年次3年次合計
普通科25単位25単位25単位75単位
普通科ベーシック25単位26単位24単位75単位

この履修単位数が、授業料の計算の土台になります。

なお普通科とベーシックの違いは金額だけではありません。ベーシックでは履修できない科目があり、当サイトの集計では3年間のレポート回数もベーシックのほうが16回多くなります。詳しくはN高に転入した後のレポートとスクーリングをまとめた記事で扱っています。

N高のコース体系

N高のコースは、全員が所属する「単位制・通信制課程」の上に、通学の有無と日数を選んで重ねる構造になっています。

ネットコース

登校日数が最も少なく、単位制・通信制課程の学費だけで通えるコースです。学習は映像授業とオンライン提出のレポートが中心で、卒業要件のスクーリングとテストのときだけ会場に行きます。登校日数の少なさから、転入で選ばれることが多いコースです。

週5・週3・週1+コース

ネットコースの学習に、週5日・週3日・週1日の通学を上乗せするコースです。単位が別に取れるわけではなく、学費も上乗せになります

リアルキャンパスとオンラインキャンパス

週5・週3・週1+コースは、通学先を2つから選びます。N高グループの週5・週3コースの案内によると、リアルキャンパスは全国各地のキャンパスに実際に通う形式、オンラインキャンパスはキャンパスに通わずオンラインで同じカリキュラムを受ける形式です。学ぶ内容は共通で、通うか通わないかの違いです。この選択で学費が大きく変わります。

+ONE授業

チケットを購入して、学びたい講座を選んで受講する仕組みです。コースではなく追加の講座で、プログラミングや個別指導のパッケージプランも用意されています。必須ではありません。

提携スクール

提携スクールとして、バンタン高等部・ASO高等部・EXPG高等学院などで専門的な技術やスキルを学びながら高校卒業資格の取得を目指す選択肢もあります。出願には別途手続きと費用が必要です。

学び方は普通科と普通科ベーシックの2種類

コースとは別に、履修する科目の組み合わせを「普通科」と「普通科ベーシック」から選びます。授業料の単価が違い、ベーシックのほうが1単位あたり4,800円安くなります。

各コースの具体的な金額はN高の学費を全コース試算した記事にまとめています。

N高の学費はどれくらいか

N高の学費が分かりにくいのは、「全員が払う学費」と「コースごとの学費」の2階建てになっているためです。ネットコース(普通科・就学支援金の先引き適用あり)だけなら3年間で211,000円、週5コースのリアルキャンパスを選ぶと初年度だけで1,028,000円になります。

学費は「全員が払う分」と「コース別の分」の2階建て

全生徒が共通で負担するのが「単位制・通信制課程の学費」です。2027年度生徒募集要項によると、固定費は入学金10,000円・教育関連諸費13,000円・施設設備費50,000円です。これに履修単位数で決まる授業料が加わります。単価は普通科が1単位あたり12,000円、普通科ベーシックが7,200円です。

週5・週3・週1+コースを希望する場合は、これに各コースの学費が上乗せされます。上乗せ分は就学支援金の対象外で、全額が家庭の負担になります。

コース別の実額

選び方金額
ネットコース(普通科・先引き適用あり)3年間211,000円
ネットコース(普通科ベーシック・先引き適用あり)3年間206,200円
週5コース・リアルキャンパス初年度1,028,000円
週5コース・オンラインキャンパス初年度700,000円
週3コース・リアルキャンパス初年度803,000円
週3コース・オンラインキャンパス初年度556,000円
週1+コース・リアルキャンパス初年度368,000円
週1+コース・オンラインキャンパス初年度280,000円

※通学コースの金額には単位制・通信制課程の学費73,000円(先引き適用後)を含みます。通学コースの金額は募集要項に税込みと明記されていますが、ネットコースの金額には募集要項・就学支援金の案内とも税込・税別の記載がありません。出典はN高グループの就学支援金の案内と2027年度生徒募集要項です。

通学コースは募集要項が初年度分しか公表していないため、3年間の総額は算出できません。また週5・週3・週1+コースはMacBook Air(約16万円)の購入が別途必要です。

就学支援金の「先引き」で初期費用が変わる

N高グループには、高等学校等就学支援金(授業料の一部を国が負担する制度)の支給見込額をあらかじめ差し引いて請求する「支給見込額の先引き」があります。これが適用されるとネットコース普通科の1年次は73,000円、適用されないと373,000円です。

募集要項では、先引きの適用対象外となる要件に「編入学、転入学の方」が挙げられています。転入生・編入生は先引きが使えません。 転入の時期と手続きはN高の転入はいつまでかを学年別にまとめた記事で扱っています。

学費の内訳・支払い方法・支援制度はどこで確認するか

コース別の内訳表、+ONE授業のチケット、入学検定料・受験料、支払い方法と返金の条件、特別奨学生制度、教育ローン、そして公開情報で確認できなかった費用の一覧は、N高の学費を全コース試算した記事にまとめています。転入生に固有の費用はN高の転入にかかる費用をまとめた記事で扱っています。

N高の評判を公表データで確認する

口コミサイトを見れば、N高について賛否どちらの声も見つかります。ただし個人の感想は在籍時期もコースもばらばらで、そのまま比較材料にはなりません。ここでは学校が公表している数字だけを使い、読むときの注意とセットで整理します。口コミで語られる否定的な評価そのものについては、N高が「やめとけ」と言われる理由をデータで検証した記事で個別に扱っています。

全校生徒数は36,371名

N高グループの公式サイトによると、全校生徒数は36,371名(2026年3月末時点)で、高校としては日本一の生徒数と紹介されています。

規模が大きいことは、コースや講座の選択肢が多いという利点につながる一方で、後述する合格実績の絶対数が大きくなる要因でもあります。

進路決定率94.24%をどう読むか

N高グループの進路実績によると、2026年3月に卒業した生徒の進路決定率は94.24%です(2026年5月19日時点、分母n=11,476)。この分母は同ページの注記により「2025年度に在籍しているN高グループの4月生のみ」に限られており、卒業生全体ではありません。 決定率と内訳は同ページの円グラフに掲載されています。内訳は次のとおりです。

進路割合
大学等進学43.24%
専門学校他23.14%
就職11.22%
アルバイト等8.66%
浪人7.09%
進路未決定5.52%
留学0.88%
その他0.24%

94.24%という数字は、全体から「進路未決定5.52%」と「その他0.24%」を除いた割合です。つまりアルバイト等8.66%と浪人7.09%も「決定」に含まれています。この2つを進学・就職と同じ意味で受け取ると実態を読み違えます。

大学等進学と専門学校他を合わせた進学は66.38%、就職は11.22%です。判断材料にするなら、決定率ではなくこの内訳のほうが有用です。

在籍者数と退学者数は情報公開のPDFに掲載されています。退学の状況はN高が「やめとけ」と言われる理由をデータで検証した記事で扱っています。

この決定率は前年より下がっています。N高グループが公表したニュースリリースによると、進路決定率は前年の94.97%から94.24%へ、進路未決定は前年の4.93%から5.52%へ推移しました。合格実績が伸びている区分がある一方で、進路が決まらないまま卒業する生徒の割合はわずかに増えています。

大学合格実績の数字は額面どおりに読めない

N高グループが公表している大学合格実績によると、2026年の実績は次のとおりです。

区分2026年前年比
国公立大学205名+13名
主要私立大学4,057名+458名
美術大学・芸術大学114名+42名
海外大学379名+172名

※国内大学は2026年5月19日時点、海外大学は2026年6月3日時点の集計です。出典ページは年ごとに集計時点が違うため、この前年比は2026年の集計の中で比較したものです。

この数字を「N高なら難関大に行ける」と読むのは適切ではありません。出典ページの注記によると、合格実績は1人が複数の大学・学部・学科に合格した場合それぞれを計上する延べ件数で、生徒・卒業生の自己申告に基づく集計です。主要私立大学4,057名には、2025年4月に開学したZEN大学の分が1,788名含まれます(出典ページの注記は「※ZEN大学 合格者数 1,788名を含む」)。集計方法の詳細と、ZEN大学を除いた場合の数字はN高の大学合格実績を3年分比較した記事で扱っています。

全校生徒数36,371名という規模を踏まえると、実績値は学校全体の規模を反映したものと読むのが妥当です。個々の生徒の進路は、コース選択と本人の取り組みで大きく変わります。

N高が向いている家庭・向いていない家庭

金額と制度を踏まえると、判断の分かれ目は次のように整理できます。

向いている家庭

  • 自宅学習のペースを自分で作れる:ネットコースは登校日数が少なく、学習時間の管理が本人に委ねられます。ここが成り立つなら費用対効果は高くなります。
  • 費用を抑えたい:ネットコースで先引きが適用されれば3年間211,000円(普通科ベーシックは206,200円)です。
  • オンライン中心の学びや専門講座に関心がある:+ONE授業のパッケージプランなど、追加費用を払えば専門性の高い講座を選べます。

向いていない家庭

  • 毎日の登校と対面の管理が必要:週5コースを選ぶ前提になります。リアルキャンパスなら初年度だけで1,028,000円、加えてMacBook Air約16万円がかかります。しかも2年次以降の金額は公表されていません。この場合は全日制高校や、ほかの通学型の通信制高校とも並べて比較すべきです。
  • 年度途中の転入で初期費用を抑えたい:先引きが使えないため、入学時の納入額が大きくなります。
  • 本校スクーリングの移動が難しい:在学中に1回以上の本校参加が原則必要で、N高なら沖縄で4泊5日です。交通費・宿泊費も別途かかります。体調面や費用面で難しい場合は、S高・R高を含めて検討するか、会場変更の特例に該当するかを事前に相談してください。

よくある質問

N高とS高、R高で学費は違いますか

学費の体系は3校共通です。違いは本校スクーリングの日数で、N高は4泊5日、S高とR高は3泊4日です。本校の場所が沖縄・茨城・群馬と異なるため、交通費と宿泊費に差が出ます。

3年間で一番安く通う方法はどれですか

ネットコースを選び、就学支援金の先引きが適用される場合が最も安くなります。就学支援金の案内に掲載されている3年間学費モデルでは、普通科が211,000円、普通科ベーシックが206,200円です(募集要項の表では両方とも199,000円ですが、3年次の授業料1単位分が計上されていません)。ただし通学コースや+ONE授業を追加すると、その分は支援金の対象外として上乗せされます。

学費以外にどんな費用がかかりますか

入学検定料・受験料、通学コースのMacBook Air(約16万円)、+ONE授業のチケット、普通科で貸与されるVR機器に関わる費用(機器手配特別費用と、退学・転学時に返却する際の送料)です。加えて、スクーリングや職業体験では宿泊費・交通費が別途必要と明記されていますが、金額の目安は公表されていません。学生寮や提携スクールを含む費用の全体像はN高の学費を全コース試算した記事にまとめています。

学費が払えないときはどうすればよいですか

募集要項では、教育ローンと学費サポートプランが案内されています。またN高グループには特別奨学生制度がありますが、免除額や募集人数は公表されていません。いずれもN高の学費を全コース試算した記事で扱っています。

出典

  1. N高等学校・S高等学校・R高等学校 2027年度生徒募集要項(第1版・2026年6月発行)(2026年8月3日取得)
  2. N高等学校・S高等学校・R高等学校 高等学校等就学支援金(2026年8月3日取得)
  3. N高等学校・S高等学校・R高等学校 スクーリングについて(2026年8月3日取得)
  4. N高等学校・S高等学校・R高等学校 大学合格実績(2026年8月5日取得)
  5. N高等学校・S高等学校・R高等学校 進路実績(2026年8月5日取得)
  6. N高等学校・S高等学校・R高等学校 2026年3月卒業生の進路実績(ニュースリリース)(2026年8月3日取得)
  7. N高等学校・S高等学校・R高等学校 週5・週3コース(2026年8月3日取得)
  8. N高等学校・S高等学校・R高等学校 提携スクール(2026年8月4日取得)
  9. N高等学校・S高等学校・R高等学校 公式サイト(2026年8月3日取得)
  10. 学校法人角川ドワンゴ学園 学校法人概要(2026年8月3日取得)

学費・出願締切・実績などの数値は、上記の一次情報をもとに記載しています。年度により変更されるため、出願前に必ず最新の募集要項をご確認ください。

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